ヴァナゴン(T4)のATFを走行60,000キロ時点で交換してみた(記録14 )

ヴァナゴン

毎度おなじみ「T4まいすたぁ」に約8ヶ月ぶりに行ってヴァナゴンT4のメンテナンスをしてきました。今回は、以前にまいすたぁさんで実施した基本点検整備の際にアドバイスをもらったATF(Automatic transmission fluid)の交換を。乗って行ったその日に作業は終わるし手際よくメンテナンス作業のコツを教えてもらえるしで本当ありがたいです。T4のことで困ったら行くべきはディーラーではなく、間違いなくT4まいすたぁさんかと(笑)

せっかく教えて頂いた知識なので、忘れないうちに作業の流れをメモメモです。
まずは安全かつ効率的な作業のため、バッテリー(マイナス)を外し、前輪のタイヤ両方を外しました。

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次にオイルパンからATFを抜くためオイルパン外側にあるボルトを六角レンチを利用して緩めます。ボルトを外すと、ドバドバっとATFの一部が抜けてきました。
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ただし、この段階で抜けるATFの量はほんの僅かなので、ある程度抜けたら再度同じネジ穴に六角レンチを奥まで突き刺し(5センチ位奥に入ります)、反時計回りに回します。すると今度はプラスチックで出来た筒状の細長い(3〜4センチ)空洞の穴開きネジが取れると同時に、更にドバっとATFが抜けてきます。

抜け落ちてくるATFがポタポタする位になったら次はオイルパン自体を取り外すため、オイルパンの周辺にある合計5本のネジをラチェットレンチで取り外して行きます。(対角線上の2個を残し、他のネジは完全に緩めてしまうと作業がスムーズに)

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オイルパン内部にもATFは結構残っているので、オイルパンを傾けないように気をつけて取り外します。

オイルパンとその内部に装着されている強力な磁石にはべっとりスラッジが付いていたので、パーツクリーナーを利用して綺麗に拭き取りました。約60,000キロに至る今までで、一度もATFの交換を行っていなかったのですが「こんなにスラッジってたまるのか」と思うほど、私のT4にはべっとり溜まっていました。

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次にATのミッションフィルタを外します。すると更にドバっとATFの残りが垂れてきますので火傷に注意が必要です。(万一のATミッショントラブル回避のため、ATミッションフィルタも新品に交換しました。)

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オイルパンガスケット(ネジ固定部の金具も交換)を取り外して新しいものに交換しました。ゴム製品は消耗品とみなし、交換できるときに交換したほうが良いと考えたためです。オイルパンガスケットを装着し、オイルパンを清掃したらピカピカに。取り外した直後のモノとは別物に見えます。

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最後にオイルキャップと本体も取り外します。

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写真下側に軽く押し込み、ツメを縮ませてから取り外す仕組みになっているのですが、大概経年劣化によって取り外す際にプラスチックの取り付け部分が割れるようです。私は取り外しの際は大丈夫だったのですが、取り付けの際に割れてしまったので、望む望まないに関わらず交換することに(涙)。

そしてOリングも交換し液漏れの可能性を出来る限り防止しておきます。

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ここまでくればATF抜き及び分解作業は完了なので、今度は交換した部品を含め取り付けていきます。

ゴム手袋をし余計なゴミやホコリが入らないようにしてから、オイルキャップを取り付けます。取り外しと同じ要領なのですが、取付部のツメが折れてしまわないか一瞬不安になります。

ちなみに、ここは作業中絶対触れないこと。ミッションはデリケートなのが理由でした。

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次にATミッションフィルタを差し込んで装着します。

オイルパン自体をエアーでゴミやホコリを吹き飛ばした後、ネジで計5箇所取り付けます。

その後、プラスチックで出来た筒状の細長い空洞ネジをオイルパンの液抜き用口から奥に差し込み、六角レンチで締めます。

※ATFのオイルパンを蓋している外側のボルトはまだこの段階では締めません。

次にボンネットの上側から長いチューブをつけたジョウゴを用意します。私は持っていないのですが、こんな感じのものを使わせて頂きました。

チューブの先をオイルキャップの入り口に差し込み、新しいATFを合計4リットル注入します。

ただ、一気に全部入れるのではなく、まずは2.5リットル程入れるとATFが少しだけオイルパンから溢れてきます(これを確認するためにオイルパンのボルトはまだ閉めないのです)。

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その時点でバッテリーを一時的に装着・エンジンを始動して、ミッションがATFを吸い出すようにします。それからエンジンをかけたまま残りの1.5リットルを徐々に追加していき、オイルパンから更に溢れ出てきたらATF注入量が適量のサインです。
この時点でATFのオイルパンの外側のボルトを六角レンチで締めて、ATFの交換作業が完了です。

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個々の作業でまいすたぁさんのサポートを受けながら作業していたので、大きな不安はありませんでした。ただ、ATFの交換を適切な手順(ここを知っている人や教えてくれる人が少ない!)で行わないと、交換作業自体がリスクになりミッションをダメにする場合がある、という話を聞いていたので、少しだけ心配していました。

ですが交換後も全く問題なし。むしろ体感としては、ミッションの切り替わりがスムーズになったような気がします。気のせいかもしれませんが(笑)なんにせよ、これでまた3〜4万キロ位はATFのことを意識しないで良いと思うと精神衛生的にスッキリです。「T4まいすたぁ」は本当にすごい!いつもありがとうございます!

費用合計¥38,500
・サポート代金(3.5時間 他作業もあり)¥14,000
・ピット代金(AM+PM)¥2,500
・ATF交換一式 ¥22,000

コメント

  1. 田口淳一 より:

    こんにちは、 VWバナゴンT4を最近購入したTJと申します。 いつも参考にさせていただいており、助かってます。  ATFフィルター交換の件で、キャップ本体の黒い筒状プラスチックの爪がよく折れるとのことですが、当方のバナゴンも先日折れてしまいました。 このパーツ番号とかご入手先はお分りになられたら教えていただけませんか? とても困っております。

    • sato より:

      こんにちは!
      ご質問の件ですが、T4まいすたぁ(http://www.t4-meister.com/)で作業の中で交換部品を購入させていただいたのでパーツ番号、入手先共にわかりません。
      この部品、どう丁寧に扱っても爪折れますよね・・・・。お困りとのことなのに、お役に立てず申し訳ありません。

  2. 温井由起夫 より:

    お久しぶりです。
    93年のユーロバンを所有している温井です。
    やっとオールペインが終わりました。
    最近変速時のショックがあるし、3速から4速に変わるのが、かなり引っ張らないと変わらないので、僕もATオイルを交換しようと思っているんですが、オイルは何がいいんでしょうか?
    ワコーズなどの高いオイルがいいんでしょうか?
    良かったら教えて下さい。
    よろしくお願いします。

    • sato より:

      ご無沙汰しております!
      「そうそう変えるものでもない点から安価なオイルだけ避けようかなー」と考え、ATFは確か純正(VW ATF)を使ったと思います。
      ワコーズの高いオイルじゃなくても問題ないと思いますが、すいません、私も利用経験がないのでなんとも言えないのが正直なところです。

      この間、車検対応でボールジョイントのアッパーを交換しました。
      最近部品の購入でよく利用するお店です。安価でおススメです。参考まで。
      https://store.shopping.yahoo.co.jp/s-hokusyo/